さすらいのお魚釣り野郎 ~九州縦断編~ 第9夜

つりたび

フグはワンダーが好き? 鹿児島県O川でもワンダーだったね。

【9日目】

午前0時、あらかじめ調べておいたポイントに到着する。まずは河口と漁港の複合する場所から釣りをはじめた。漁港が絡むことでストラクチャーが増えるので、ダラダラと続く河川のなかよりも狙やすい。遡上する魚が絶対に通るので、狙わない手はない。

ここでもやはり明暗の境目から投げていく。漁港のライトまわり、少し上流の橋脚まわりを、気配を殺して投げ続ける。しかしフィッシュイーターの反応はない。漁港はボラの群れで埋め尽くされていた。

釣れそうなポイントだけ投げると、次の漁港へ。これを3カ所ほど繰り返してみたけど、反応がない。ダツ?のような細魚とフグが反応しただけで、スズキの姿はない。午前4時、明るいうちに調べておいたポイントはすべてまわり尽くした。車のなかで、もういちど地図を広げてみる。

とにかくエリア内の漁港はすべて撃ち尽くしたので、次は橋脚を調べることにした。狙いは各河川の最下流に架かる橋である。魚がどこまで遡上するのかわからないので、とにかく魚の交通量が多い最下流の橋に狙いを絞る。明暗の境目で、活性の高い魚が釣れるかもしれない。

ひとつめの橋で奇跡が起きた。
明暗の境目の明るいほうに魚群が見える。

「シーバスかな?」最初は何かわからなかった。
カタチこそスズキに似ているものの、そんな隊列を見たことがなかったからだ。
隊列は上流に頭をむけて、明暗の境目でじっとしていた。
「普通は、陰に身を潜めて明るいほうを眺めているんじゃ…?」
頭で考ると、フィッシュイーターならそうすると思った。
「ボラかもしれない」そう思いながら車に戻り、竿だけを持って現場に戻る。

魚の群れは、まだいた。明るいほうに陣取って、暗いほうに顔をむけている。
ちょうど、鼻っつらギリギリに暗闇があるという状態だ。
ゆっくり、ゆっくり、ルアーを鼻先へ導いていく。「逃げるか?」

ルアーが魚体に近づいた瞬間、竿が曲がった。

ルアーに反応した!
なんだ!?

ヒラスズキだ!

あまりにもあっけない出会い。
そして、いまだ眼下に広がる隊列。
「これ、全部ヒラスズキなのか・・・?」

まず写真を撮ろう

ボンバマンにも釣らせてやろう

とにかく急いで車に戻る。写真撮影をおえて、すぐに準備にとりかかる。スラー・ジャコは、さっきのファイトでウェイトがむき出しになって使いものにならない。同じダート系ルアーのボディブローで狙うことにした。

2匹目!!
3匹目!!!

入れ食いではないが、明暗の境目でしっかりダートさせると、沸くようにバイトしてくる。魚のサイズが小さいせいか、なかなかフッキングしない。ボンバマンはシンゾーベイトで狙ってみたけど、ヒラスズキを釣りあげることはできなかった。

そして夜があけた。車に戻り、一息。夢の彼方へ。

朝焼けのメッキ。修復したスラー・ジャコで
ルアーを投げ続けるボンバマン。クロホシイチモチを釣って久しい

さすらいのお魚釣り野郎 ~九州縦断編~ 最終夜」につづく

エクストリーム シンゾーベイト3インチ
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