さすらいのお魚釣り野郎 ~だれがイトウを幻にした編~ その25

つりたび

次の日も荒天で、このたびの釣りは終わりを迎えることになった。明日、新千歳空港から飛行機で北海道を離れることになるけれど、今日もまだ手塩にいる。最後まで天塩で過ごした理由、それはイトウシンポジウムに参加するためだ。

イトウシンポジウムは、最北の大河「天塩川」のイトウと環境について考える討論会。 「イトウとはどんな魚か?」にはじまり、「イトウの棲む河川環境」「イトウ釣り」「これからの課題」など、それぞれの専門家の経験に基づいた講演で、イトウの現況を共有する場である。本当にたまたま、北海道の滞在期間に開催されることになったので、参加させていただきました。

イトウ釣り師の高木さんによる、釣り講演。過去20年の釣果記録からお話しされました。

高木さんは断言します。「私の20年間の記録では、イトウは減っていない。」 

イトウという魚を形容するときに、よく使われる「幻」という定句。1mを超える大型の淡水魚だから、地球上の大型の生きものと同じように数を減らしていると考えることは当たり前のことかもしれません。他の魚と比べると数も少なく、釣るのも難しい魚かもしれません。でも、僕にもイトウは釣れました。

だれがイトウを幻にしたのか。あの山を超え、ひろがる原野に、イトウはたしかに棲んでいるのです。

さすらいのお魚釣り野郎 ~だれがイトウを幻にした編~ 完

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