さすらいのお魚釣り野郎 〜北海道・原風景の魚たち編〜 第8夜

つりたび

日本最北端・宗谷岬でパチリ。たくさんの旅人が交差するマイルストーン

浜に立ち並ぶアキアジの釣竿。今日は晴天、オホーツクを眺めながら気持ちよく走る!

「ここがイトウの聖地・・・」

この魚を狙うだけでもはるばる北海道にきた甲斐があるというもの。はじめての北海道の釣りだから、いろんな魚を狙ってみたい、いろんな場所で釣ってみたいということで道南から道東、道北と辿ってきたけれど、やっぱりいちばん気になる魚。ここまできたにもかかわらず、連日の行程のせいかぼんやりと川を眺めていた。

ピチャ

ピチャ

バホッ!!

ピチャ

ピチャ

ブフォ!!

なんだろう。たくさんの魚で水面が揺れている。じっと観察していると、ひとりのつり人が携帯電話を手に話かけてきた。

「ちょっと写真を見てもらっていいですか。この魚って何ですか?」

「・・・! これはイトウですね」

「そうなんですか。さっきからずっと暴れていて。ようやく釣れました」

「・・・え! これ、ぜんぶイトウですか!?」

「わからないですけど、投げたら釣れました」

バイクで北海道を旅をする青年。またどこかで出会う気がしている

それからしばらく見守っていたけれど、水面はずっとモジモジしている。これがぜんぶイトウかどうかはわからないけれど、今まさに魚はいる。「これはもらった」とばかりに余裕が生まれ、いったん宗谷を観光してから、昼食を食べてから狙ってみようと思った。それでも釣れると思えた。

宗谷岬の食堂最北端さんの、最北端ラーメンを食べる

異国感漂う、宗谷の草原

NHK『にっぽん縦断 こころ旅』で取り上げられた象岩

夕方、ポイントに戻ると・・・魚はいない。「朝のタイミングで活性が高いのかな?」「また明日、狙ってみよう」・・・そんな心づもりだった。今になって思うのは「あの瞬間、なぜ竿を出さなかったのか」ということ。釣りはポイント、タイミング、それからウデであり道具なのだ。

さすらいのお魚釣り野郎 〜北海道・原風景の魚たち編〜 最終夜」につづく

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