さすらいのお魚釣り野郎 ~だれがイトウを幻にした編~ その22

つりたび

昼過ぎにスコトン岬から戻ると、民宿のおばちゃんから「明日はフェリーが出ないよ」 と教えてもらった。天気予報によると、このあと台風19号が北海道を通過するらしい。

まだまだ礼文島でのんびるするつもりだったのに、これはマズいことになった。今日のフェリーを逃すと、ひょっとしたら数日間ここで足止めされてしまうかもしれない。出航の時間をおばちゃんに確認すると、あと2時間くらいしかない。後ろ髪を引かれる思いで荷物をまとめて、民宿をあとにした。

フェリーのりば2階の武ちゃん寿司でイクラ丼を食べる

軒先の看板には、こんな一言がある。「礼文島のウニは味のよい昆布で育った生ウニです。一度ご賞味下さい。」礼文島のウニは最高の味で、これを食べるためにやってくる観光客も多いという。しかしそれも9月いっぱいの季節もので、今日は10月9日。手書きの張り紙には、「ウニの時期が終わりましたので、ご了承ください!!」と書かれていた。

「なんてこったい」と頼んだイクラ丼であったけれど、これまで食べたイクラ丼のなかでいちばんおいしかった。

さよなら、礼文島。また来る日まで

さすらいのお魚釣り野郎 ~だれがイトウを幻にした編~ その23」につづく 

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