さすらいのお魚釣り野郎 〜熱闘!真夏の鹿児島編〜 最終夜

つりたび

8月29日、午前4時起床。

鹿児島の野間池港から船で20分。東シナ海に突き刺さった大岩が見えてきた。上下に揺れる船から崖に飛び、岩肌を登る。真っ青な海が、足下までせりあがる。波が砕け白くなり、そこにまた轟音とともに波がぶつかる様子に自然と足が震える。

落ちたら死ねる沖磯。他のお客さんとじゃんけんになったけど登ることができた。ゲンタルマン、勝ってくれてありがとう。もうひとつの沖磯はクリボーみたいな岩だったもんな。こんな感覚はなかなか味わえないから。

水分やバッカンを安定した場所に置くと、竿を片手にポイントへむかう。場所によってはロッククライミングのように、指とつま先で崖を超えていく。足場を確保すると、恐怖とワクワクが入り交じった興奮状態で11フィートの竿を振り回す。ルアーは波に飲まれ、果たしてこれでいいのかわからない。竿はトゥイッチやメンディングごとに岩肌に擦れて傷がふえてゆく。

「シイラッッ!!!!!!!」

波音のすき間から、はっきりとゲンタルマンの声が聞こえた。しっかりと足元を確認しながら、急いでゲンタルマンに合流する。そのとき一瞬、水面直下を高速で旋回する魚影が見えた。すぐに投げると数匹の魚影がルアーを奪い合うように追いかけてくる。何度もストライクするのだが、魚は針が刺さるまえに水面を踊り、ルアーをはずして逃げてゆく。手前へ、むこうへ、右へ、左へ。縦横無尽に走る姿が目に焼き付いた。60ポンドフロロリーダーをブチ切られたあと、次の群れで仕留めた。

それから6時間、何も起こらなかった。時折、アカウミガメの呼吸する音が響いて、キョロキョロして探してみる。強烈な日差しが真上から照りつけるが、風のせいかそこまで暑さを感じない日だったと記憶している。

シブダイ狙いで100グラムのジグをシャクるゲンタルマン

そのあとは温泉に入ったり、名物のホワイト餃子を食べたりして3泊4日の鹿児島の旅は終わった。深夜バスと電車を乗り継ぎ13時間。そのままスーツに着替え、会社へむかう。頭のなかを切り替える間もなく、いつもの毎日に戻る。いつもの車を運転しながら、それがなんだか寂しくもあり、ほっとしたような気もした。

ありがとう、ゲンタルマン。ありがとう、鹿児島。

さすらいのお魚釣り野郎 ~熱闘!真夏の鹿児島編~ 完

<タックル>
ロッド : テーパー&シェイプ/カーブスター・ブルーバレル CBBS-110MHS
リール : シマノ/ステラSW4000HG
ライン : バリバス/アバニキャスティングPE 4号

ロッド : メガバス/シルバーシャドウSSR-610ML
リール : ダイワ/エメラルダス2506
ライン : バリバス/アバニシーバスマックスパワー1.2号

ロッド:メガバス/礁楽 SLM-74UL
リール:ダイワ/カルディアKIX2000
ライン:クレハ/フロロハンター3ポンド

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