さすらいのお魚釣り野郎 〜北海道・原風景の魚たち編〜 第3夜

つりたび

目覚まし時計って使わないんですが、それは旅先でも一緒で。うつらうつらしながら薄目でまわりをうかがって、ポイントを見渡してみる。

車に戻って、シルバーシャドウに糸を通す。北海道から鹿児島まで釣り歩き、スズキをはじめサツキマスコクチバスアカメなど淡水、海水、魚の大小を問わず使ってきた僕の右腕のような竿だ。とりあえず今日もシルバーシャドウを振ってみる。

ときおりアタる魚が知りたくて、どんどんルアーを変えていく。どんどんルアーは小さくなって、それ以上小さなルアーがなくなったから今度はメタルジグをえいやと投げる。50m先で掛かった魚が抜きあげるタイミングでポロッと外れた。・・アメマスだ。

さてどうやって釣ろうと試行錯誤していると、バシャバシャと魚を取り込む音が聞こえる。1匹、2匹、3匹・・・。あれよあれよと釣りあげるので、話しかけてみた。聞けば朝のサーフで入れ違いだったようで、サケもマスも釣れたとか。

おじさんと並んで竿を振る。僕はルアーで、おじさんはフライをほうる。アメマスの話をしながら、おじさんはポンポン釣りあげていく。話しは次第にカラフトマスやニジマス、イトウの話につながり、ついには北海道を飛び出して日本中の釣りの話になった。

「カラフトマスはラウスだよ。渡船に乗るといいよ」
「イトウはバスタックルだね。岸際をバズベイトで狙うんだ」
「釧路にさ、ランカーズってお店があるから行ってごらん」

数日前までいつもどおりの1週間だと思って働いていた。北海道が決まったあとも、道北から時計まわりの予定をひっくり返して道東から釣りをはじめることになった。ふとしたきっかけが針の穴を通るようにつながって、僕はこの場所で竿を振っている。うまく言えないけど、いろんな出来事に感謝したくなった。

2人で2〜30匹ほど釣れた

およそ2時間のあいだにアメマスの反応もよくなって、毎投のようにルアーにヒットするように。けれど、「ピークは超えたかな・・・」そんな思いが確信に変わる頃、雨が強く降り始めたから納竿した。「またお会いしたいです!」「いつでもココにいるよ」おじさんは帰路へ。僕はまた車で眠った。

別れ際におじさんから貰ったブリリアントというスプーン

そのまま夜を迎えて、漁港で竿を出すとカジカが釣れた

夜の漁港はアキアジ狙いのつり人でいっぱい。漁港に迷い込んだアキアジの姿も見ることができた。ひとり根魚を狙ってみたけれど、この1尾以外に釣れなくて眠ることに。仕事や旅の用意で疲れたせいか、寝てばかりの2日目だった。

昼過ぎに目覚めたあとは、みなさんのアドバイスどおりにランカーズクシロへむかってみた。

ランカーズクシロ。入るとすぐに道東屈指の品揃えがわかる

店員の村山さん。いろんなアドバイスをいただきました

北海道といえばサケマス、根魚の釣り。ここでしか釣れない魚を見たい、釣ってみたい。とりわけ気になっていたカラフトマスについて聞くと、今年はどうも不漁らしい。このあと知床の漁師の奥さんにも聞くことになるんだけど、漁獲高は例年の3割程度だったとか。テレビのニュースでもやってたっけ。

それでも明日はちょうど漁師の網上げのタイミングらしく、サケやマスが岸に寄りやすいみたい。「このタイミングを外しちゃいけない」ということで、一気に知床”ラウス”へ北上することになった。

<タックル>
ロッド:メガバス/シルバーシャドウ SSR-610ML
リール:ダイワ/エメラルダス2506
ライン:バークレイ/ファイヤーラインEXT 1.2号
ルアー:スミス/Dコンタクト63

さすらいのお魚釣り野郎 〜北海道・原風景の魚たち編〜 第4夜」につづく

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