さすらいのお魚釣り野郎 〜熱闘!真夏の鹿児島編〜 第2夜

つりたび

午前3時起床。いつもなら寝る時間にゴソゴソと動き始める。釣り師なら当たり前の起床時間も、夜型の僕にはかなり堪える。それでも朝まづめを堤防の先端でむかえると、夜明けの風が心地いいのか、釣りへの期待か、ぼんやりした頭も冴えてきた。

・・・太陽の頭が見えてくる! 今日という日がはじまる瞬間だ。

さっそく巻きはじめたアスリートミノーに明快なアタリがでる。50cmほどのサゴシが掛かったけどランディングに失敗してしまった。サゴシは網からポロっと落ちていった。堤防ではよくあることだから気にしない。まだまだ釣りはじめたところだし、今日は期待できるかもしれない。

ゲンタルマンはカマスを3連発!

カンパチの子供、鹿児島では”ネイゴ”というみたい

使い慣れない11フィートの竿でどんどん投げるとすぐに腕が疲れてきたけど、それどころじゃないからあまり気にならない。さっきのサゴシもはじめて見たし、カマスもネイゴもはじめてだ。「自分の知らない魚が釣れるかもしれない」それだけで十分に楽しいのだ。それから数時間、投げつづけるにはそれで十分だった。

意気揚々と釣りをする僕に魚からの反応はない。シイラやメッキなど、期待していた回遊魚も回ってこない。どうやら今日の朝まづめはこんな感じらしい。ゲンタルマンにはぽつぽつと釣れるが、それも期待した反応ではないみたい。僕も同じようにジグをシャクリつづけたけれど、魚はとなりで竿を振るゲンタルマンのジグを選んでいる。人間は同じように動いているけれど、水中のジグはまったくちがった動きをしているのだろう。この日はじめてジグをシャクった僕に魚がアタることはなかった。

狙いをかえてグラスミノーで足下のアオリイカやダツを狙ってみる。好奇心旺盛な彼らは反応こそするけれど、針にはぜんぜん掛からない。とうとうあきらめて堤防に座りこむ。すこしすると思い立ったようにジグをシャクる。また、あきらめて堤防に腰掛ける。立ち上がってはジグをシャクる。そんな時間が過ぎていく。

「もう帰ろうか」という雰囲気でいっぱいの堤防。まわりの釣り師もまったく釣れていない。最後にゲンタルマンが「もう振らないですか?」と僕に声をかける。もういちど、なんということもなくジグをシャクると、今までにない生命感を感じた。

イトヒキアジ。まさかの60センチオーバーだ! (クリックで拡大)
ゲンタルマンとがっちり握手を交わす。これ以上、なにがあるだろう。

さすらいのお魚釣り野郎 〜熱闘!真夏の鹿児島編〜 第3夜」につづく

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